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建設業法等の改正ポイント:担い手確保と働き方改革の最新動向

令和6年改正建設業法の主要ポイント、労務費基準の作成、資材価格転嫁の円滑化、施行スケジュールと実務への影響を解説します。

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#建設業法改正#働き方改革#担い手確保#法改正

この記事のポイント

  • 改正の3本柱は労働者の処遇改善・資材価格転嫁の円滑化・働き方改革
  • 中央建設業審議会が「標準労務費」を勧告し不当な低価格契約を規制する
  • 資材価格変動時の請負代金変更について誠実な協議義務が明確化された
  • 監理技術者の兼任要件緩和やICT活用促進で技術者不足に対応する

2024年6月に公布された「建設業法及び公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律の一部を改正する法律」(令和6年法律第49号)は、建設業の担い手確保と働き方改革を推進する大規模な制度改正です。本記事では、改正の背景と主要ポイント、施行スケジュール、そして建設企業が準備すべき実務対応を解説します。

改正の背景と全体像

今回の改正は、建設業が直面する構造的な課題に対応するため、建設業法・入契法・公共工事品確法の3法を一体的に見直すものです。

建設業の構造的課題

改正の背景には、以下の深刻な課題があります。

  • 担い手不足の加速:建設業就業者の約3分の1が55歳以上で、若年層(29歳以下)は約1割にとどまる
  • 賃金水準の課題:建設技能労働者の賃金は全産業平均と比べて依然として低い水準にある
  • 時間外労働規制への対応:2024年4月から建設業にも時間外労働の上限規制が適用(詳しくは「建設業の時間外労働規制と36協定」を参照)
  • 資材価格の高騰:建設資材の価格上昇を適切に請負代金に転嫁できない状況

改正の3本柱

今回の改正は、大きく3つの柱で構成されています。

  1. 労働者の処遇改善:労務費の基準の作成・勧告、著しく低い労務費での契約の禁止
  2. 資材価格転嫁の円滑化:資材高騰時の請負代金変更の円滑化、不当に低い請負代金の禁止の強化
  3. 働き方改革と生産性向上:工期に関する基準の実効性強化、ICT活用の促進、技術者配置要件の合理化

労務費の基準作成と処遇改善

今回の改正の最も大きな特徴が、中央建設業審議会が「標準労務費」を作成・勧告する仕組みの導入です。

標準労務費とは

中央建設業審議会が、工事の種類ごとに「標準的な労務費」を作成し、公表します。この標準労務費は、建設技能労働者が適正な賃金を受け取れるよう、目安となる水準を示すものです。

標準労務費を著しく下回る金額で労務費を含む見積りを行い、契約を締結することは、改正法により規制されます。具体的には、以下の規制が設けられます。

  • 受注者側(下請):標準労務費を著しく下回る見積りを提出することの禁止
  • 発注者側(元請):標準労務費を著しく下回る労務費での契約の禁止

注意

標準労務費の規制に違反した場合、国土交通大臣または都道府県知事から勧告を受ける可能性があります。勧告に従わない場合は公表の対象となります。

技能労働者への賃金行き渡りの確認

元請業者には、下請業者に対して支払った代金が、最終的に技能労働者の賃金として適切に支払われているかを確認する努力義務が課されます。これは建設キャリアアップシステム(CCUS)との連携によって実現が図られています。

資材価格転嫁の円滑化

資材価格の高騰が続くなか、下請業者が適切に価格転嫁できる仕組みを強化する改正が行われています。

不当に低い請負代金の禁止の強化

改正前の建設業法第19条の3は「自己の取引上の地位を不当に利用して」という要件がありましたが、改正によりこの要件が見直され、より実効性のある規制となります。

具体的には、請負代金が「通常必要と認められる原価に満たない金額」を請負代金とすることの禁止が強化されます。「通常必要と認められる原価」には、労務費だけでなく資材費も当然に含まれます。

資材価格変動に伴う契約変更

資材価格が著しく変動した場合に、請負代金の変更について誠実に協議する義務が明確化されます。元請が協議に応じない場合や、一方的に不利な条件を押し付ける場合は、建設業法違反として指導・監督の対象となります。

ポイント

国土交通省は「スライド条項」の活用を推奨しています。契約書にスライド条項(物価変動に応じた代金調整の条項)を盛り込んでおくことで、資材価格の変動時にスムーズな協議が可能になります。

技術者配置要件の合理化とICT活用

人手不足に対応するため、技術者の配置要件を合理化し、ICTの活用を促進する改正が行われています。

監理技術者の専任要件の合理化

改正により、監理技術者の専任要件が合理化されます。具体的には、ICT(遠隔臨場等)を活用して適切な施工管理が行える場合に、監理技術者が複数の現場を兼務できる要件が緩和されます。なお、建設業許可の種類(一般・特定)による技術者配置の違いについては「建設業許可の種類と取得要件」で解説しています。

これは、監理技術者の人材不足に対応するための措置であり、「監理技術者の専任を求める請負代金額の下限の引き上げ」とあわせて、技術者確保の負担軽減が図られています。

主任技術者の配置義務の合理化

一定の条件を満たす場合に、主任技術者の配置を不要とする特例が拡大されます。特定専門工事(鉄筋工事、型枠工事等)において、元請の主任技術者が下請の主任技術者の役割も担える制度の対象範囲が拡大されています。

ICT活用の推進

改正法では、建設工事の施工に関してICTの活用を促進することが明記されています。具体的には以下の施策が含まれます。

  • 遠隔臨場による施工管理を行える環境の整備
  • BIM/CIMの活用による生産性向上
  • 電子契約の推進

施行スケジュールと実務対応

改正法の施行は段階的に進められます。企業として計画的に対応するために、施行スケジュールを把握し、準備を進めることが重要です。

施行時期の整理

改正法は以下のスケジュールで段階的に施行されます。

  • 2024年9月1日施行(第1弾):一部規定の先行施行
  • 2024年12月13日施行(第2弾):資材価格転嫁の円滑化、契約書記載事項の強化(請負代金の変更協議に関する規定等)
  • 2025年12月12日施行(第3弾):標準労務費に関する規定、不当に低い請負代金の禁止の強化、技術者配置要件の合理化など
  • 公布日から4年以内に施行:経過措置が必要な一部規定

建設企業が準備すべきこと

全建統一様式の改訂6版への対応も、法改正対応とあわせて進める必要があります。詳しくは「全建統一様式 改訂6版の変更点」をご確認ください。

注意

上記の第1弾〜第3弾は2026年2月時点ですべて施行済みです。今後施行される残りの規定については、国土交通省の公表情報で最新のスケジュールをご確認ください。

建設業法改正に伴い、契約書の見直し、見積り手続きの整備、技術者配置計画の再構築など、企業が対応すべき事項は多岐にわたります。改正内容は安全書類の作成にも影響を及ぼすため、現場の書類運用も見直しが必要です。これらの事務的な対応負担を軽減するために、当社のBPOサービスでは書類整備や社内体制構築のサポートを行っています。

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